今回ご紹介させていただくのは、USBメモリーのデータ復旧作業です。

復旧対象は、ELECOMのMF-AU202GSVです。

症状はドライブを開いても、エラーメッセージが表示されて中身が参照できないとのこと。

この案件をご紹介したのは、ちょっと普段と違っていたからです。

何が違うかというと、下記のエレコムサイトからの引用文を御覧下さい。

データを守るセキュリティ機能装備

メモリ本体にはセキュリティソフト「USB Flash Disk Format Tool」が付属しています。パスワードを設定して保存されたデータを保護する機能が装備されているほか、フラッシュメモリのメモリ容量を2つに分割するパーティション機能が装備されています。 2つに分割したメモリ容量の一方だけに、パスワードによるセキュリティ機能を付与することが可能ですので、1つのUSBフラッシュメモリをオフィシャル用・プライベート用などに分けてご利用いただくことができます。

※WindowsXP/2000で本ソフトウェアを利用するには、管理者(Administrator)権限を持ったユーザーでログオンする必要があります。

他人にアクセスされない為の、セキュリティ機能付きのUSBメモリという事ですね。

この機能、よくよく調べてみると国内他社でも、全く同じソフトを使って実装しているようです。

例えばTDKやImationなど・・・。

さらに調べると、おそらくですがアメリカのSuper Talent TechnologyというFlashメモリ会社(最近はSSDで有名になりましたね)がOEM供給元の模様。

ウンチクはこの程度で、実際のデータ復旧の手段ですが基本的には通常のデータ復旧と変わりありませんでした。

セキュリティ機能といっても、この製品の場合認識時にパスワードを入力すれば通常のリムーバブルディスクとして認識されます。暗号化されているわけではないので普段利用しているツールを使用しての復旧が可能でした。

では、パスワードを忘れてしまっていた場合はどうなるでしょうか?

方法は「パスワードをなんとか探りあてる」か「分解してメモリICを取り外しての直読み」のどちらかになります・・・。

どちらも困難な方法ですので、このような装置を使う場合はパスワードは絶対忘れないようにお願いします。

なお、最近のUSBメモリやポータブルHDDは、パスワードによるロックのみでなくAESによる暗号化が施されている製品が増えています。

当然難易度は高まりますし、そういった場合も今回のケースでいうパスワードに当たる部分の情報が必須です。重ね重ね忘れる事の無きようお願いいたします。