法人様よりIO DATAのLAN DISK(NAS/LAN接続型ハードディスク) HDL-GTR2.0にアクセスできなくなったとの入電あり。
至急、現場に向かいました。
こちらの法人様では、この装置をRAID 1+0で運用。ファイルシステムはXFS。
さらに4台あるHDDの内、下部二つを別のディスクセットに定期的に交換しバックアップ。
トータル6台のディスクによる冗長構成であり、ミラーリングとストライピングを組み合わせた、最もデータ保護性能と書き込み性能に優れた構成です。
一見、万全かと思われるシステムですが、こんなシステムでも崩壊する時は崩壊してしまいます。
設定画面を確認すると見事にデータ領域を認識していません。
ディスクセットを入替えても復旧不能だったとのことなので、現場ではどうすることもできません。
お持ち帰りさせて頂きラボ内での作業を行う事に。
まず、作業前に対象ディスクについての整理を。
ディスクの本数は6本。RAID 0のストライピングセットと考えると3本。
これらを便宜上Diskset A,B,Cと呼びます。
Diskset A・・・メインのディスクセット。このディスクセットのデータがBとCでミラーリングされている。
Diskset B・・・Aのミラーリング。問題発生する直前までAの内容がミラーリングされていたはず。
Diskset C・・・Aのミラーリング。ディスクの定期交換の為、このディスクセットを差し込んだ際に問題発生。恐らくミラーリング開始前にエラーが発生しているので、この中にあるデータは古い。
なお、ファイルシステムは冒頭に書いた通りXFS。
実はTerastationやLAN DISK等最近のNASで採用されている事の多いXFSというファイルシステムは復旧の難易度が圧倒的に高いのです。データ復旧会社の中でもこのファイルシステムに対応できるところは限られた極一部でしょう。
診断を行うと物理障害なし。論理障害です。
A,B,Cの中では一番、Aが正常な様子。
B,Cはパーティションテーブルが崩壊しておりデータにアクセスできませんでした。
Aはパーティションが認識されていたので、論理障害も軽度のはず・・・と当たりをつけましたが作業は難航。
結局Aは詳細な解析(技術内容は秘匿です)の結果、損傷の度合いが酷かったため諦めることに。
次はBの解析です。まずはパーティションテーブルが壊れているのでHEXエディタで修復。(もちろんクローンしたイメージに対して)
その後、詳細な解析作業に移ります。
その結果、論理障害は確認されるものの、無事にデータが残されており、100%のデータを復旧できる事が判明。
その後、お客様の許可を頂き本作業。無事復旧、納品となりました。
同様な症状でお困りの方は是非ご連絡下さい。
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