サーバーが起動しても4、5分立つと勝手に電源が落ちてしまう。すぐ来て欲しいとのご依頼がありました。

サーバーの詳細を確認しましたが、お客様はよくご存知でないご様子。

とにかく直行です。

到着して確認してみると、小さなキューブ型PCサーバーがありました。

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このPCはSAVANTというメーカーが販売していたNet Stastionという装置だそうで、メーカーが倒産してしまいサポートを受ける場所が無くなってしまったために、今回のご依頼になったとのこと。

初めて見る装置だったので面食らったものの、お客様が購入時のマニュアルをお持ちだったので仕様を確認させていただきました。

それによるとこの装置、LinuxをCD Bootさせて動いているらしいです。データのバックアップについてはDVD-RAMへのバックアップや、HDDへのバックアップ(RAIDではない)が行われているとの事でした。

診断の結果はハードウェア障害・・・。マザーボードの故障です。

同じマザーボードを入手する事はメーカーも倒産してしまい、不可能。

修理は諦める事にして、新しいNAS(Buffalo Terastation)の導入をお勧めさせて頂きました。

なお、データのバックアップがとれていなかったので、データ救出も必要です。(DVD-RAMにバックアップされている筈との事でしたが、中身は空でした・・・)

とりあえず、解決の筋道は描けたのでホッとしていると、お客様がポツリと一言。

「メールも送受信できないんだよねー」

嫌な予感がして慌てて確認してみると、この装置ただのNASと思っていたらそうではなく、メールサーバー、FTPサーバー、WEBサーバー、DNSサーバーも動く事が判明。

調査の結果、このうちのメールサーバー、DNSサーバーも動かしていたようです。

こうなると、話は少し厄介です。新規導入予定のNASには当然メールサーバーやDNSサーバーの機能は付いておりません。

そこで、提案させていただいたのはレンタルサーバーの使用です。

そもそも、中小企業のレベルでメールサーバーを自前で運用する事のメリットは殆どないと思われますし、運用面の手間(今回のようなトラブル対応)を考えればアウトソーシングしてしまった方が断然お手軽、お得です。

お客様に伺うと、メールサーバーを自社運用していた事に大きな理由は無いそうなので、こちらの作業もご依頼も頂きました。

今回、ご依頼頂いた作業をまとめると次のようになります。

1.故障サーバーからのデータ救出

2.NAS(Buffalo Terastation)の設置設定。(救出データのコピーを含む)

3.メールサーバーをレンタルサーバーに移設。(ドメインは今まで使用していたドメインをそのまま使用)

1から順に書いて行きます。

今回の場合、現地では作業できないので、持ち帰らせて頂き作業を行いました。

分解すると2個のHDDがでてきました。

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Maxtor製 Diamond MAX 16 4R080L0という型の、80GB,IDE接続タイプのHDDです。

調査の結果、ファイルフォーマットはext3。片方のdiskには若干の不良セクタが検出されました。

なお、HDDが2台あるのは、マスターとバックアップとで2台になっているためです。バックアップの方式は、RAID1を使っている訳ではなく、cronでrsyncを定期的に動かしてミラーリングを行っているようです。

どちらがマスターで、どちらがバックアップかの確認は、ファイルのタイムスタンプで確認をとりました。単純に考えて日付が最近のファイルを含んでいる方がマスターです。

確認の結果、マスターとバックアップには約1日の時間差があり、マスターのHDDは不良セクタが発生していた方でしたが、99パーセント以上は正常に救出できました。

救出できなかった分は、バックアップHDDから取り出す事ができたので、最終結果は100パーセントのデータ復旧に成功です。ホッ・・・。

長くなってしまったので2と3の作業は次のエントリに続きます・・・。